大淀川学習館

身近な昆虫の生態

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大淀川流域には少なくとも約4000種類の昆虫が生息しているといわれています。春から夏にかけてたくさんの昆虫を見かけますが、ふだん私たちの目にとまる姿は成虫(親)の姿が多いようです。

何となくながめても、何もみえてきません。昆虫の見方を身につければ、昆虫のいろいろな姿を発見することができますし、植物を含めた生き物の関係もよくわかってきます。さらに、生命の神秘さや不思議さに触れることもでき、自然を見る感性が磨かれることでしょう。

今回は、大淀川学習館周辺で見られる身近な昆虫の生態の一部を紹介します。

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ムラサキツバメ(シジミチョウ科)成虫で越年した母チョウは春に産卵します。


マテバシイの葉の裏に産みつけられた卵。年発生回数は、おおよそ3~4回程度と推定される。


マテバシイの葉の裏の幼虫が出すミツを求めて集まってきたアリ。幼虫の色は葉の色に似ている。

マテバシイの下(地面)の落ち葉の中の蛹(さなぎ)。色も褐色で落ち葉の色に似ている。

成虫。越冬の時、風雨のあたらない葉の上で群がって集まる習性をもっている。

ナミテントウ(テントウムシ科)同じ仲間でも背中の模様が大きく分けて4種類あります。


ギシギシについたアブラムシを食べにきた幼虫。


上の幼虫:蛹化(ようか)前下の幼虫:蛹化中


ヨモギの葉の上の蛹(さなぎ)。エサ場から離れ、ねばる液を出して、しりを固定している。


ギシギシについたアブラムシを食べにきた成虫(黒の地に赤いもんが二つある、ニもん型)

ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)成虫は田畑の周辺・人家の庭・荒地などで見られる。


スミレの葉に群がる幼虫。幼虫の食草(しょくそう)であるスミレ類に卵が産みつけられる。


左:蛹化する前
右:蛹
尾端のかぎを糸のかたまりにかけてぶらさがる。 金色の斑点が美しい。


羽化(うか) 年発生回数は4~5回程度と推定。アザミ・シロツメクサなどの花のミツを吸う。


成虫(メス)メスの前翅端は紫黒色で白い帯があり雄と区別できる。和名はメスの特徴にもとづく。

昆虫も動物ですから、ものを食べないと生きていけません。食べるという視点から、成虫や幼虫の食べる植物・動物の集まるところを探してみよう。
その他、水との関係、なかまのふやし方(卵をどこに産むか・・・)、冬の越し方などいろいろな視点から昆虫を観察してみると、新たな発見に出会うことができます。