大淀川昆虫おもしろ講座
チョウたちのはねのひみつ
大淀川やその支流の流域には、多くの種類のチョウがすんでいます。大淀川は、これらの小さなチョウにとっても、命をはぐくんでくれる「母なる川」であります。これらのチョウたちのはねに目を向けてみましょう。
オオムラサキのオスとメスのはねの色
オオムラサキ(タテハチョウ科)
オオムラサキは、表の模様では、オスとメスのちがいがよくわかりますが、裏からはほぼ同じに見えます。どうしてなのでしょうか。 表の色が一見して違うのは、空中でオス同士の激しい追いかけ合いをする習性から、雌雄をはっきり識別する 必要があるためと思われます。 一方、ニレなどの樹液を吸うときは、はねの裏側が見えるようになるため、裏側はできるだけ目立たない周りにとけ込むような色の方が外敵に襲われません。その結果、オスもメスも同じような色になったものと思われます。 あの美しいはねの色は、私たちにその生態まで教えてくれるのですね。
チョウの模様
タテハチョウ科の仲間には、羽に丸い模様をつけたものがいます。実はこれは、 かよわい彼らの武器なのです。大きな丸い模様は、鳥などの外敵に、大きな目玉のように見え、驚かせるはたらきをもちます。 また、小さい模様が、はねの中心部ではなく端にあるのは、外敵からの攻撃を目玉模様に集中させて、体のダメージを最小限にくい止めようとする知恵なのです。 厳しい自然界を生き残るため、一生懸命知恵を働かせ生き抜いているのですね。